ダックとグースのダウンの違いについてのご質問にお答えいたします。
羽毛布団のなか綿で、ダックとグースのダウンの違いについてのご質問が
ありましたので、お答えいたします。
ダウンの先端の形状についてのお話でしたが、先端の枝毛が整っていない
のは、ダックとグースの違いに限らず、成熟度の違いによるものです。
どこかのサイトでのお話は、かなり粗悪なダックのお話の様です。
というのは、羽毛はダックもグースも一般的に、春に卵から孵化して
ひよこになり、夏までにほぼ成鳥に育つのですが、その期間が長いほど
鳥が身に着ける羽毛が成熟して、ダウンの密度が高くなっていきます。
しかし、特に中国などの水鳥(ダック=あひる)飼育業者は、早く金に
代えたいという思惑と、食肉としての若い=幼いチキンダックを求める
業者の思惑があって、鳥が完全な成鳥となる前に、食肉にしてしまい、
廃棄(?)羽毛が、ダウンとして大量に産出し、形ばかりの精製でダウン
として流通するものが、少なからず有るため、ダウン形状が整っていない
上、ニオイも消えないダックダウンが存在することになります。
このことは、私からすると論外な話で、そのレベルの羽毛を扱う業者から
は、距離を置いています。
わたしが時に羽毛布団は、メーカーが第一と言っている点がそこにあります。
基本的にダックとグースの違いは、その体の大きさの差でしたが、最近では、
フランスを中心に、従来はグース(ガチョウ)からだけだったフォアグラ
の生産を、飼育方法の改良から、ダックからも採れるようになってきています。
したがって、フォアグラが採れるほどのダックのダウンは、大きく成熟して
グース顔負けのダウンパワーを示すものが現れるようになっています。
しかし、ダックとグースは、基本的に遺伝子の差で、ダウンの形状・大きさ
だけでなく、ダウンそのもののケラチンなどの組織的な違いで、耐久性には
越えがたい差があると思われます。
羽毛ふとんのへたりなどの劣化は、羽毛の枝毛の形状が原因ではなく、使用し
ているうちに、徐々にダウンが壊れていくからです。だからこそ、羽毛布団の
メンテナンスで、
・天日干しは最小限に
・布団叩きは絶対厳禁
・カバーは頻繁に架け替える
・真空パック厳禁
・クリーニングも最小限に
・重いもので押しつぶさない事!
を、繰り返し申し上げているのです。
したがって、羽毛布団の耐久性は、ダウンの壊れにくさでもあり、それも今か
ら10年後20年後に、明確になるもので、現時点では、ダウンパワーが、単純に
暖かさ指数と見られています。
しかし、この業界において、このダウンパワーですら、偽ラベル表示が横行
してる現状では、私は三社合併した西川や山甚の羽毛ふとんしか、怖くてお奨
めできないでいます。
今回お尋ねのカ所ですが、「ダックダウンと違って」という記述は、一般のダックダウンと違ってという意味です。
スケールはダックダウン93%のダウンパワー390を指していますが、これは単な
る指標として全体比較として表わしたもので、今までダックダウンでダウンパワー400以上を示す必要がなかったからです。従来の常識を超えるダウンパワーということです。
私個人の本心は、ダウンの壊れにくさの点から、単純なダウンパワー比較では
なく、ダックかグースか、さらにマザーグースかを優先的に選別すべきと思っ
ています。