ご来店まことにありがとうございます。
ご存知ですか?かつて布団は自宅で手づくりが主流でした。
それぞれのお宅で、ミシン掛けや布団仕立ができないと、主婦は務まらなかったのです。
ふとん屋さんへの依頼は、ほとんど古綿の打ち替えでした。
つまり、ふとん屋さんに古い布団の打ち替え依頼し、戻った打ち替綿でお布団を仕立るのは、主婦の仕事だったのです。
なにからなに迄、女性は重労働だったのですね。
しかし、その仕立てはというと、素人の見よう見まねがほとんどで、手作り感たっぷりの重い・固い・臭うふとんが当たり前のことだったのです。
しかも、フトン綿が、家じゅうを舞って掃除や片づけは大変なものでした。
そこで、打ち替えと同時に、仕立てまで「ふとん屋さん」に依頼することが多くなったのですが、その「ふとん屋さん」も、ほとんどが素人に毛の生えた我流仕立ばかりで、寸法がまちまちなばかりか、仕立て方もとても専門店とは言えない状態でした。
そこで、当時の労働省において、布団仕立の政府認定の布団仕立資格が創設されました。
それが、「労働大臣認定寝具仕立一級技能士」です。
当初は、ふとんの仕立のみならず、布団素材の高度な知識や、和裁の特殊技術も要する、とても厳しい試験でした。
ところがなんと、その「労働大臣認定寝具仕立一級技能士」・一号店に当店がなったのです。
その後、近隣の布団仕立・加工工場などからも、習得に来る人が多く、その方たちは、今なお仕立ての良い店と、評判を受けています。
だからこそ、当店では、羽毛布団全盛期になった今なお、素材やキルト法,仕上がりの程度には妥協ができないのです。
わたしから見て、人間が着て寝るに、眉をひそめる様な布団が、なんと多いことでしょう。