『君は一向にうちに姿を見せんけど、どこの歯医者にかかっとるんか?』
中学時代、二学年先輩の有名歯科医院院長との立ち話で冗談を・・。
『三十年来、歯医者に掛かった事がありませんよ。』
『羨ましいな?。わしは歯がガタガタじゃ・・・。』
歯石が前歯の真裏に少ししか無い事を言うと、
『あり得ない。』
と、びっくりしていました。
思い出しました。古い記憶を・・・。
若い頃の製鉄会社研究員時代、勤務時間内に“ライオン”の宣伝を兼ねてやって来た美人の歯科衛生士に、歯のクリーニング(歯石取りも)をして貰ってから歯磨きには朝晩念入りに磨くようになったのですが、その時に言われた事が
『歯の質が非常に丈夫ですね。でもえてして丈夫な歯の人は歯茎が病気になりやすいので、気を付けて下さいね。』
との事でした。その後ウン十年、歯磨きには力を入れる習慣が付いたのですが、もう一つ大きな動機付けがありました。
ある夜、サスペンスドラマを見ていた時、殺された被害者を見た名探偵が、『被害者は高収入、高学歴だったに違いない。』
と、言って難事件を解決する筋書きでした。
なんで、と言うと被害者の歯が非常に綺麗で、日常から歯の手入れを怠らずいつも歯医者で手入れして貰っているような人は、高収入で高学歴の人に違いない。との名探偵の説明だったのです。
『そうか?。だったら歯だけはいつも綺麗にしておかなくっちゃ・・・。』
と、店の隣が歯医者さんの本宅、裏手には別の歯科医院があって、歯医者の知り合いには恵まれた環境にありながら、一切歯医者のお世話にならないウン十年間でした。
この隣の親しかった歯医者さんからは重要な事を、色々教えていただきました。
『歯磨き(粉/ジェル)には、誰も何も言わないけど、ごく微量の発ガン性成分が含まれているので、毎回の歯磨きではごく少量使うようにして、後は十分にすすぎをしなさいよ。』
とか、
『血圧と塩の摂取量との関係は、単純に言い切れない。』
とか、健康についての知識の深い方だったのですが、ご自身が若くして肝臓ガンで亡くなってしまいました。
知り合いの中にも、ヘビースモーカーで周りに迷惑を掛けながら、本人は長生きしている人。逆にたばこは一切吸わないのに肺ガンで早死にした人。この世の中は理屈通りにいかないものですね。