いつも近所の小学生達から、すれ違う度
『おはようございます。』
『こんにちは。』
『ただいま。』
『帰りました。』
等と、元気のいい声が帰ってきて、気持ち良かったけど、ここ二?三日空気が変わりました。
あれだけ快活で明るかった小学生達が、何も言わずうつむいて通り過ぎていきます。
やんちゃで愉快な、小学一年生のユウマ君に
『おかえり。』
と、声を掛けると、ダッと走って逃げていきます。
ユウマ君のおばあちゃん(若くて綺麗でよくお母さんと間違われています)に
「ユウマ君の様子おかしいね。」
と、聞くと。
「学校の先生に注意されたらしいのよ。」
「なにを?」
「『学校からの帰りに、よそのおじさんおばさんと口をきいてはいけません。』ですって。」
「全国で多発する、小学生の下校時連れ去り事件?」
「『知り合いのおじさんおばさんなら、挨拶しなきゃ。』と言うと泣きべそかくの。」
「なんて?」
「『だって、ボクどこか連れて行って殺されるゥ。』ですって。」
小学生の挨拶運動はどこへ行ったのでしょう。
社会のひずみが弱者を襲う。
目に見えない社会の地殻変動に、不気味な不安を感じます。
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